マイカーでの金沢観光を効率的にするための駐車場とは?安藤竜 あんどう・りょう 歴史家 観光職業訓練校講師

金沢の旧市街地エリアは、車を停めて歩いて巡って欲しい

金沢にマイカーやレンタカーで来られる方は、近年とても増えています。
観光スポットが点在する金沢の旧市街地は、広いようで実はそんなに広くはありません。ですから気候の良い春や秋などは、車を停めて歩いて観光するのがおすすめです。車を降りて、のんびり古い町並みを歩いてみてください。時には、街角から三味線のお稽古の音が聞こえてきたりするかもしれませんよ。でも、じゃあ車はどこに停めたらいいの? いっぱいありすぎて困ってしまいますね。

実は金沢市内で、「車を停めておくならココ!」というおすすめの場所があります。今から、そんな私の研究成果をご紹介します。ぜひ最後まで、おつきあいくださいね。

ずばりココ!21世紀美術館へも徒歩で行ける「兼六園下付近」の駐車場がおすすめ!中でも「兼六駐車場」が一押しです。

最初から結論になっちゃいますが、一番おすすめの場所は、ずばり「兼六園下付近」です。 なぜなら「兼六園下付近」は、金沢の観光スポットの中心部に位置しており、どこへでも徒歩で行ける絶好の停泊地だから。なかでも「兼六駐車場」は、その名の通り、兼六園(金沢城口)のすぐ近くの駐車場なんです。今から、おすすめの理由を3つご紹介しますね。

ポイント1:金沢城→兼六園→21世紀美術館の3連コンボが成立する。(所要時間3時間)

Photo: 金沢城

兼六園〜金沢城〜21世紀美術館

まず最初のポイントは、「兼六駐車場」に駐車すると、すぐ目の前に兼六園と金沢城があるということ。この2か所は、金沢観光スポットの中でも上位1位と2位。しかも兼六園を散策した後、広坂口から出ていただくと、すぐ目の前が21世紀美術館なんです。

Photo: お堀通り

お堀通り

個人的におすすめなのは、21世紀美術館から兼六園下に戻る際に、お堀通りから石垣を眺めながら歩くコースです。お堀通りはその名の通り、江戸時代は金沢城のお堀だった道路です。金沢城は「石垣の博物館」と呼ばれるくらい、多くの種類の石垣がありますが、お堀通りの石垣は、前田利家時代の一番古い時代の石垣を楽しむことができるんです。

Photo: 玉泉園

玉泉邸〜永福寺〜小立野寺院群

さらに、駐車場周辺には、外国人でありながら加賀藩士となり、和歌や茶道に精通した脇田直賢が造った庭園が残る玉泉邸や、加賀友禅会館もあり見どころもたくさん。よくばりさんは、すぐ横の兼六坂を登って、漫画『花の慶次』で有名になった奥村助右衛門の屋敷跡や菩提寺の永福寺、小立野寺院群へと足を伸ばせば、本当の昔ながらの金沢の町にもふれることができますよ。

ポイント2:兼六駐車場からは、ひがし茶屋街や近江町市場も徒歩圏内。

Photo: 近江町市場

兼六駐車場から金沢城に入って、黒門から抜けると近江町市場が目と鼻の先にあります。さらに、ひがし茶屋街は兼六駐車場から徒歩10分程度。私なら、金沢城→近江町市場→主計町茶屋街→ひがし茶屋街とつなげる4連コンボ(所要時間4時間)がおすすめです。
さらに、このルート沿いには、隠れた名スポットがたくさん。黒門の近くの黒門前緑地は、高峰譲吉博士の屋敷を移築した隠れた桜の名所。さらに近江町市場から主計町茶屋街にかけての尾張町エリアは、江戸時代からの古い町家が多く残る地域でもあります。のんびり歩きながら、町の風情を楽しむのも楽しいですよ。

ポイント3:駐車料金が実はおトク。

Photo: 兼六駐車場

兼六駐車場」のお値段は、金沢きっての観光地だけに、普通車で最初の1時間が350円、その後は30分ごとに150円と、市内ではそこそこいいお値段です。
しかし、「兼六駐車場」をおすすめするポイントは、近くのこんや坂付近のお店でお買い物をすると、1時間無料券(350円分)がもらえる点です。つまり、兼六園で食べたお団子やお茶、そしてお土産品などが駐車料金を減額してくれるということです。これはあまり知られていませんので、ぜひお店で聞いてみてくださいね。

駐車券をもらえるお店はこちらから

ここまで加味しますと、
3時間 350円+300円+300円(−350円)=600円
4時間 350円+300円+300円+300円(−350円)=900円
と、金沢市内のど真ん中にもかかわらず、1,000円未満で済んでしまうんです。

まとめ

兼六園下付近の駐車場なら、金沢名所の多くが徒歩圏内。
兼六駐車場なら、こんや坂でお団子やお土産を買えば駐車料金もおトクに!

いかがでしたか。今回はお車で金沢観光をお考えの方に、おすすめの駐車場の情報をまとめてみました。
あなたの金沢での旅が、少しでもお得で楽しいものになりますように。

著者プロフィール

Photo: 安藤竜 あんどう・りょう

安藤竜(あんどう・りょう)
歴史家。観光職業訓練校講師
通称、アンドリュー。
1974年、兵庫県生まれ。
関西学院大学大学院で日本近世史を専攻。2014年から地域の歴史と文化を楽しむコミュニティ「金沢歴活」を主宰。古地図で金沢を歩くアプリ「古今金澤」の開発協力や、「小松城浮城マップ」の作成、「金沢妖怪散歩」などの町歩きイベントも開催している。

TOP