金沢にマイカーやレンタカーで来られる方は、近年とても増えています。
観光スポットが点在する金沢の旧市街地は、広いようで実はそんなに広くはありません。ですから気候の良い春や秋などは、車を停めて歩いて観光するのがおすすめです。車を降りて、のんびり古い町並みを歩いてみてください。時には、街角から三味線のお稽古の音が聞こえてきたりするかもしれませんよ。でも、じゃあ車はどこに停めたらいいの? いっぱいありすぎて困ってしまいますね。
実は金沢市内で、「車を停めておくならココ!」というおすすめの場所があります。今から、そんな私の研究成果をご紹介します。ぜひ最後まで、おつきあいくださいね。
最初から結論になっちゃいますが、一番おすすめの場所は、ずばり「兼六園下付近」です。 なぜなら「兼六園下付近」は、金沢の観光スポットの中心部に位置しており、どこへでも徒歩で行ける絶好の停泊地だから。なかでも「兼六駐車場」は、その名の通り、兼六園(金沢城口)のすぐ近くの駐車場なんです。今から、おすすめの理由を3つご紹介しますね。
まず最初のポイントは、「兼六駐車場」に駐車すると、すぐ目の前に兼六園と金沢城があるということ。この2か所は、金沢観光スポットの中でも上位1位と2位。しかも兼六園を散策した後、広坂口から出ていただくと、すぐ目の前が21世紀美術館なんです。
個人的におすすめなのは、21世紀美術館から兼六園下に戻る際に、お堀通りから石垣を眺めながら歩くコースです。お堀通りはその名の通り、江戸時代は金沢城のお堀だった道路です。金沢城は「石垣の博物館」と呼ばれるくらい、多くの種類の石垣がありますが、お堀通りの石垣は、前田利家時代の一番古い時代の石垣を楽しむことができるんです。
さらに、駐車場周辺には、外国人でありながら加賀藩士となり、和歌や茶道に精通した脇田直賢が造った庭園が残る玉泉邸や、加賀友禅会館もあり見どころもたくさん。よくばりさんは、すぐ横の兼六坂を登って、漫画『花の慶次』で有名になった奥村助右衛門の屋敷跡や菩提寺の永福寺、小立野寺院群へと足を伸ばせば、本当の昔ながらの金沢の町にもふれることができますよ。
ここまで加味しますと、
3時間 350円+300円+300円(−350円)=600円
4時間 350円+300円+300円+300円(−350円)=900円
と、金沢市内のど真ん中にもかかわらず、1,000円未満で済んでしまうんです。
兼六園下付近の駐車場なら、金沢名所の多くが徒歩圏内。
兼六駐車場なら、こんや坂でお団子やお土産を買えば駐車料金もおトクに!
いかがでしたか。今回はお車で金沢観光をお考えの方に、おすすめの駐車場の情報をまとめてみました。
あなたの金沢での旅が、少しでもお得で楽しいものになりますように。
安藤竜(あんどう・りょう)
歴史家。観光職業訓練校講師
通称、アンドリュー。
1974年、兵庫県生まれ。
関西学院大学大学院で日本近世史を専攻。2014年から地域の歴史と文化を楽しむコミュニティ「金沢歴活」を主宰。古地図で金沢を歩くアプリ「古今金澤」の開発協力や、「小松城浮城マップ」の作成、「金沢妖怪散歩」などの町歩きイベントも開催している。